AIカウンセリングの時代と「つながり」の行方

最近、AIによるカウンセリングが注目を集めています。悩みや不安をAIに打ち明けると、温かく、時に的確な言葉で応じてくれます。
人に話すときの気まずさもなく、24時間いつでも相談できる便利さもあり、今後さらに利用が広がると言われています。

一方で、人が健康に生きるためには「どこかに所属している」という感覚が欠かせない、というデータも多数あるようです。
目の前の誰かに自分の存在を認めてもらうことで私たちの心は守られてきました。
逆に、社会的な孤立や孤独は、うつ病や不安障害、体調不良のリスクを大きく高めることがわかっています。

ここで一つ、見過ごせない問いが浮かびます。
もしAIによるカウンセリングが日常化すれば、わざわざ他人に悩みを打ち明ける必要がなくなり、人との接触がさらに減ってしまうのではないか、という問いです。
楽になったと感じる一方で、実際には「誰にも所属していない」感覚が静かに深まり、かえって孤独や不安が根を張ってしまう可能性もありそうです。

AIの発達は、私たちに多くの恩恵をもたらします。しかし、心の支えとなるのは、最終的には人と人との間に生まれる「なにか」なのかもしれません。
AIに寄り添ってもらいながらも、現実の誰かとつながる勇気を忘れない。そんな感覚を持っておくことは大切でしょう。

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