最近読んだ本に不眠とスマホなどとの関係性について書いている一文があり、なかなか興味深い内容だと思いました。少し長くなりますが次のような内容です。
不眠の原因の一つに「不安」がある。不安は日常のストレスや気掛かりから発生してくることが多い
↓
人間の脳は寝入りばなの時間を利用していろいろな気掛かりに「標識づけ」をし、それを深い睡眠の間に夢などを利用してうまく対処できるように処理をしているのではないか。つまり、寝入りばなに日中の気掛かりに対して「標識づけ」をする作業が始まる。すると、そのタイミングで気掛かりや心配事が一気に表面化して、その結果眠りにくくなっているかもしれない
↓
一方、脳は普段からぼんやりしているような時間、何も考えていないような「空白の時間」があると、そのタイミングで先にこの「標識づけ」を済ませてくれている可能性もありそう。標識づけが日中のぼんやりした時間にある程度済んでいれば、寝入りばなに気掛かりが一気に表面化しなくてすむかもしれない
↓
そして、今の現代社会では、この「空白の時間」がとても少なくなっているのではないか。スマホやイヤホンなどにより大量の情報や娯楽が溢れかえるようになり、「空白の時間」がそれらに奪われてしまっているかもしれない。寝る前になってようやく、標識づけされなかった気掛かりが一気に表面化して不眠を招いているかもしれない。現代は不眠症が増えているといわれるが、この辺りにも一因があるかもしれない
つまり
「ぼーっとするような時間を日中に持てていると、その時間を使って寝る前に処理するような気掛かりの仕分け作業を先に脳が済ませてくれる。すると寝る直前に一気に気掛かりが溢れ出て眠りにくくなるのを防ぐかも」
というわけです。
言われてみると、自分もぼんやりできそうな時間はスマホを手に取っていることが多いな、と気づきます。意識して、ぼんやりとした「空白の時間」を持つことは、睡眠や精神的な健康維持には実は良い効果があるのかもしれないですね。あなたはいかがですか?普段、ぼんやり時間を持つことはできていますか?
参考図書「夢を見るとき脳は」 アントニオ・ザドラ、ロバート・スティックゴールド 紀伊國屋図書